vol.1 キャリアコンサルティングとは?

vol.1 キャリアコンサルティングとは?

「キャリアコンサルティング」って何なんでしょう?

相談者の悩みを解決してあげること?
相談者に提案すること?
相談者に教えてあげること?
何かを指導すること?

こんにちは、さすけ@CCtです。

キャリアコンサルタントを目指すのであれば、最低でも、キャリアの定義やコンサルティングの定義くらいは知っておかないといけないと思うんです。

今回は私、さすけ@CCtが自分なりに考察してみました。

コンサルティングの定義

「コンサルティング」と聞いて、何をイメージするでしょうか?
おそらく多くの人が「企業(まれに行政など公共機関)などの役員(特に経営者が多い)に対して解決策を示し、その発展を助ける業務」だと思われるでしょう。このイメージが、キャリアコンサルタントという仕事はクライエント(以下、CL)に対して解決策を示す対人支援をするということになるのでしょう。

「座る」が語源

“Consult(Consultant)”は、「共に座る」が語源であり、転じて「相談する/協議する」という意味です。解決するという意味はありません。
更に言えば、ある著名な先生は「(キャリア)コンサルティングとは、(キャリア)カウンセリング+(キャリア)ガイダンスである」とおっしゃっています。

【カウンセリング】

依頼者の抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行われる相談援助のこと。

【ガイダンス】

個人が自分自身についての理解を深め、その能力や興味を十分に活用していろいろな事態にうまく適応し、自主的に問題解決を行なって、望ましい形で参加ができるように、その個人に種々の援助を与えること。初歩的な説明をすること。案内。手引き。

つまりコンサルティングとは、解決策を提示したり、方策を提示したり、アドバイスをしたり、教えたりしないんですね。

いや、厳密に言えば、解決策を提示しますし、方策も提示します。アドバイスもしますし、教えもします。しかし、タイミングが重要です。もしあなたが出会った人から突然アドバイスをされたら、そのアドバイス通りに行動しますか?しないでしょう。

よく考えればわかることですが、

助言する=アドバイス→アドバイザー
教える=ティーチ→ティーチャー
指導する=コーチ→コーチャー
解決=リソリューション→リソルバー
援助・支援=サポート→サポーター

と、それぞれを意味するコトバが存在しているわけです。
定義にそって考えれば、コンサルタントは自ら積極的に解決するために動くことはしないことがわかります。
あくまでもタイミングが重要。

キャリアの定義

キャリアってなんでしょう?
大辞林で調べてみると、以下のように記されています。

キャリア【career】
① 経歴。経験。
② 職業。特に、専門的な知識や技術を要する職業。また、それに就いている人。
③ 日本の中央官庁で、国家公務員試験Ⅰ種合格者の俗称。

「轍(わだち)」が語源

キャリアの語源はラテン語の「carrus」だと言われており、意味は轍(わだち、車輪の跡)です。そこから人が辿る足跡や経歴なども意味するようになりました。自分が歩んできた人生の長い道のりをふりかえると、そこにはそれまで自分の馬車が刻みつけてきた轍が残されています。人生の終焉まで馬車は歩み続け、そこに轍というキャリアができるのです。

つまり「キャリア」とは、生涯の様々な役割を果たす過程で、自分と向き合い、自分の仕事や人生に意味を見つけ、自らの役割の価値や自分と役割の関係を見いだしていく積み重ねです。そして、これからどこに辿りつけそうなのか、どこへ向かいたいのかの展望ともいえます。

キャリアコンサルタントは何をするのか?

これまでのことを総合すると、キャリアコンサルタントがCLにすることは、「CL自身が歩んできた人生の長い道のりをふりかえってもらいながら、CLの抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて相談にのる」ことだということがわかります。

もう一度言いますが、厳密に言えば、解決策を提示しますし、方策も提示します。アドバイスもしますし、教えもします。しかし、タイミングが重要です。
まずはじっくりとCLの話に耳を傾け、CLのモノの見方や捉え方、すなわち「自己概念」を理解してから、CLにあったあなたオリジナルのアドバイスをしてあげましょう。