vol.6 論述問題[JCDA版]を考察してみる

vol.6 論述問題[JCDA版]を考察してみる

キャリアコンサルタント国家資格試験では、
日本キャリア開発協会(JCDA)とキャリアコンサルティング協議会と試験団体が2つあるため、どちらで受けようか悩む受験生が跡を絶ちません。

両団体が全く同じ試験で、同じ方法で、同じ採点だとするのであれば、誰も迷いはしません。
ところが、学科試験は両団体共通ですが、論述試験と実技ロールプレイ+口頭試問は、
流れ自体は同じものの、その内容は全く違います。

こんにちは、さすけ@CCtです。

今回と次回は、両団体で違いのある論述試験に焦点を当てて記事にしたいと思います。

試験団体を決めるファクターとして、この論述試験が肝になることは間違いありません。
自分の受けやすい方、自分に合っているかどうかを見極めていきましょう

JCDA論述試験の特徴はなんでしょうか?

  • 60分間のキャリアコンサルティングを想定した逐語録が出題される
  • インテーク面談の中盤あたりが提示されている
  • 共通分、事例Ⅰ、事例Ⅱという形式で問1〜問4までが出題

JCDAの論述試験は、書く量が多く、時間内に終わらないという受験生が多くいます。
そんな中でも、50点満点中、40点以上を取っている受験生も確かにいます。
何が違うのでしょうか?

20点台の人と、40点台の人との違いとは?

JCDAの論述試験の結果を見てみると、多くの受験生は50点満点中30点くらい、このあたりが平均点のようです。

キャリアコンサルタントの合格ラインは、
50点満点の論述試験と100点満点の15分間の実技ロールプレイ+口頭試問、合計150点満点で成り立っています。そこで90点を取れば合格となります。

論述試験で30点ということは、15分間の実技ロールプレイ+口頭試問で60点、つまりオールAを取る必要があるということです。
国家資格キャリアコンサルタント試験に合格する近道は、論述試験で高得点を取っておくことが重要なのです。

JCDA論述試験の点数配分を考察していくと、
問1、問2は解けているが、問3以降の点数が伸びていない人は20点台の方が多いようです。
問1、問2が解けていて、完全に理解できているわけではないが、一所懸命書き足している人は30点台が多く、問3以降をしっかりと理解できて、書けている人が40点台、中には49点という点数を取っている方も見受けられます。

では、JCDA試験で高得点を取っている人はどんな勉強をしているのでしょうか?

JCDAの考え方をきちんと理解できていますか?

JCDAの論述試験を見ていくと、
JCDAは日本のキャリアコンサルティング(キャリアカウンセリング)を牽引してきたという自負のようなものが見えてきます。

それは何か?と言うと…

  • カウンセラーとしてのあり方を理解、認識できているか?
  • コンサルタントとしての意図性
  • アイビィのマイクロカウンセリング・スキルを理解しているか?
  • JCDAが大事にしている考え方を理解できているか?
カウンセラーとしてのあり方

ロジャーズの三条件(「自己一致」の上に成り立つ、「受容」・「共感的理解」)は基本として習ったと思いますが、この三条件を理解、認識しているかどうかを判断されているように思います。

さらに、対面の実技ロールプレイ+口頭試問試験ともなれば、この三条件を身につけているあるいは身につける努力をしているか、を問われているのではないでしょうか?

コンサルタントとしての意図性

厚生労働省が出している「相談実施過程において必要なスキル」というものがあります。
場面構成から始まり、相談過程の総括までの8段階のスキルです。
このスキルが理解できているか、そこで、何を、どのようにすべきなのか、どんな視点を持って、取り掛かろうとするのか、このあたりを見ているのでしょう。

JCDAが大事にしている考え方、理解していますか?

さて、前述したようにJCDAの論述試験で点数を伸ばすためには問3以降が書けていないと難しいようです。

問3と問4はリンクしているため、問3の回答によって、問4の点数も決まってきます。
つまり、問3は解けないけど、問4は解けた、ということは有りえないということでしょう。

では問3と問4で、JCDAは何を求めているのでしょうか?

それは、JCDAの考えているキャリアコンサルティングを理解し、書けているか?
ということです。

まず、JCDAが定義しているキャリアカウンセリングというものが、当然あるわけです。

「自己概念の開発(成長)を通して、個人のキャリア形成を図ること」

です。このあたりをしっかりと、深く理解できていることが基本となります。
そして、JCDAのキャリアコンサルティングに根本的な考え方は、「経験代謝」です。

そのため、問3では、逐語録から「経験代謝」の説明をして、「経験代謝を理解している」ことをアピールしなければなりません。
そして問4では、「経験代謝」から導かれた内容を元に、相談者に対する「オリジナル」の展開を書くということが大事です。

論述試験でも、実技ロールプレイ試験でもやってはいけないこと。それは、
相談者が「自己理解不足」「仕事理解不足」「職業理解不足」「コミュニケーション不足」といった「●●不足」を回答にしてはいけない、ということです。
不足していることは、単純に足せば良いことであって、相談者の問題や課題にはなり得ません。
不足であることで相談者を責めてはいけないということです。

JCDAの論述がわからない、どう対策したら良いのか分からなければ、「論述対策」を受講することをおすすめします。

キャリアコンサルタント論述試験に自信がなければ論述試験対策へ。
terakoya.growthbrain.co.jp