vol8.JCDAか?それともキャリ協か?どちらであっても簡単じゃない、だからこそちゃんと選びたい。

vol8.JCDAか?それともキャリ協か?どちらであっても簡単じゃない、だからこそちゃんと選びたい。

キャリアコンサルタント試験を受ける際、一番迷うのは、JCDA(日本キャリア開発協会)で受けるのか?それともキャリ協(キャリアコンサルティング協議会)で受けるのか?どっちがいいんだろう?ということではないでしょうか?

こんにちは、さすけ@CCtです。

どちらで受けても、合格すれば「国家資格キャリアコンサルタント」を名のることのできる資格を得ることはできます。それであれば、当然、受かりやすい方、簡単な方、楽な方を受けたくなるのは当然の心理です。そもそも、なんで二団体なんだよ!一団体なら迷わなくていいじゃんか!という声も聞こえなくはないのですが、決まってしまっていることにツッコミを入れても、いまの段階ではなにも変わらないので、そのパワーは別に機会にとっておきましょう。

ということで、JCDA、キャリ協、いったどんな違いがあるのでしょうか?

JCDAで受かる人もいれば、キャリ協で受かる人もいる。当然、その逆もある。

JCDAで受かる人、キャリ協で受かる人、なにか違いはあるのでしょうか?逆に受からなかった人にはどんな違いがあったのでしょう?

トレーニングを受けにくる受検生の中には、JCDAで受けてみて、失敗した後に、キャリ協で受けてみて、合格した人がいます。その逆もあります。そこに違いはあるのか?

結論から言うと、大きな違いはありません。受ける人は受かるべくして受かっていますし、再チャレンジとなった人は、なるべくして再チャレンジになっています。
とは言え、考え方や相性などもあると思いますので、少し違いについて触れていきましょう。

設立経緯
JCDA(日本キャリア開発協会)

「キャリアカウンセリング」の盛んな米国でNCDA(全米キャリア開発協会)の影響を受け、日本国内のキャリアカウンセラーとキャリアカウンセリングの普及と品質を高めるため、2000年2月1日に発足。全米キャリア開発協会 (NCDA) と協力関係にあり、相互に情報交換をすることで最新のキャリアカウンセリング理論を取り入れている。
厚生労働省キャリア・コンサルタント能力評価試験の実施機関。認定資格名はCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

キャリ協(キャリアコンサルティン協議会)

キャリアコンサルタントの養成、資質確保活動とキャリアコンサルティングの実践・研究等に関わる団体が相互に協力して普及啓発活動を行うことを目的として、2007年8月にNPO法人として設立する。
2008年9月10日、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)第47条第1項の規定に基づき、技能検定キャリア・コンサルティング職種(1級・2級キャリアコンサルティング技能士)の指定試験機関として厚生労働省により指定を受ける。
2017年、「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」に名称変更。

JCDAは、これまでのキャリア開発、教育、普及などは「先頭に立ってやってきた」という背景があり、国家資格化される際には、JCDA主導でまとめたかったわけです。しかし、どうしても他の諸団体と折り合いがつかず、結局JCDAだけが単独で試験運営団体として認められたとのことです。

各団体の重要視しているコト
JCDAの考え方

経験代謝サイクル(経験の再現と意味の出現)という独自の理論に基づき、内面を深く掘り下げる。自己概念の成長に重きを置く。カウンセリング要素を重視。

キャリ協の考え方

経験の再現から相談者自体の理解を深めて、相談者自身が自分の興味や価値観、強みに気づき、主体的に前向きにキャリアを形成してもらう。

使っている言葉は違えども、各団体とも言っていることはほぼ同じです。(気づきましたか?)言葉というものはとても難しく、全く同じことを言っていたとしても、見聞きする側の解釈で意味が変わってきてしまいます。そのため、都市伝説的に、JCDAは傾聴主体、キャリ協は解決策主体、と言われがちですが、キャリアコンサルティング全体を考えれば、傾聴も、解決策提示も、重要な要素です。

それよりも大事なことは、キャリアコンサルタント側に決定権はない、ということの方が大事なのではないでしょうか?

どちらで受けるのがいいのか?

標準キャリアコンサルタント試験は、学科試験と実技試験(論述+実技ロールプレイング)で行われます。
学科試験は、両団体ともに共通ですから、どちらでもよいことになります。
となると、見るべきポイントは、論述と実技ロールプレイング。
論述は過去問題を見て回答しやすい方を選ぶという手があります。
実技ロールプレイングは、基本的に60分のインテーク面談のうち冒頭15分間のやり取りですから、基本さえ押さえておけばどちらで受けても落ちることはありません。
しかし、それでも気になるのであれば…

相談者の気持ちにゆったりと寄り添いながら、相談者に内省(リフレクション)を促す。自己概念に触れるプロフェッショナルのカウンセラーを目指したい方はJCDAがオススメ

クライエント観察技法を駆使し、認知の変化、行動変容、意欲の変化に繋げていく。しっかりとしたガイダンスを相談者に促したいという気持ちが強い方はキャリ協がオススメ

ただし、はっきりと言っておきますが、実技ロールプレイング試験は、60分間のインテーク面談のうち冒頭15分間のやり取りです。
JCDAであれ、キャリ協であれ、この15分間で解決する、方策を出すということではありません!
たった15分間で相談者のことがわかりました、などというキャリアコンサルタントは存在しません。わからないのに解決策や方策を提示するなんておこがましいと思うようにしましょう。
解決策を提示するのは、相談者が自分自身のことを受け入れ、納得してからだって遅くはないのです。